乳頭温泉、控えめに言って最高(2019.2.16泊)
経緯
九州で宿泊予約をしたので(お正月頃)、多分いちばん最初にみちのくひとり旅を決意した土地。
当時の私は、一人で旅行などしたこともなく、雪が積もっているところをスキー場以外では見たこともなく……
乳頭温泉の冬の写真を見て、「え、これ行けるの?」と思って、ブログの旅行記を調べまくった記憶がある。
宿は、深く考えずに、そのとき空いていた最初の宿ということで、休暇村乳頭温泉郷。
事前調査
乳頭温泉郷には、7つの泉質の異なる温泉があります。
それぞれの温泉の名前や位置関係は以下の通り。
これは確か大釜温泉でいただいた地図なんだけど、こういう位置関係がわかる地図が、ネットに意外と落ちてない……
そして、湯めぐり帖(1800円)を買えば、全部の温泉に1回ずつ入れて、各温泉を回るバス「湯めぐり号」も乗り放題。もっとも、日帰りの人は買えない模様。宿泊者オンリー。
調べている段階で気になったのが、「混浴に行かなくても楽しめるか?」ということ。
女性が乳頭温泉に行ったブログはいくつか見つけたが、混浴に入らない決断をしてる人は少ないような気がした。むしろ混浴風呂がいちばんロケーションが良いので絶対入るべき、的な感想が多い。
うーん……
その辺も含めて行ってみて確かめよう。
→結論から言うと、混浴のお風呂に入らなくても最高でした。
行ってみた
このブラインド、稲穂かな?
なんかいる!
確かめてはないが、たぶん辰子伝説関係のお祭りで使われるやつだと思う。
外国人旅行客が、この頭の後ろで電車ごっこして写真撮ってた。楽しそうだった。
田沢湖からはバス。バス停が複数あるので、行き先をチェックすべし。
あと、人が多いので、早めに並んでおいた方が安心できる。私が乗ったバスは、ほぼ満員だった。
道中、こんなん。
雪に慣れてきたと思っていた私、まだまだ先が長いことを知る。
湯めぐり帖をゲット
宿泊先の休暇村でバスを降りる。
降りた瞬間、めっちゃ風が吹いて、雪に襲われた。
しかも、雪しかなくて、どこに宿があるのかわからない。
これは上から撮った写真ですが……この階段を発見して、その先に建物が。
這々の体で入館し、フロントで宿泊なんですが湯めぐり帖買えますか、と告げて、ゲット。
手のひらより一回り大きいくらいのサイズ感なので、持ち運びも難しくない。
大きい荷物を宿に預かってもらい、さっそく湯めぐりへ。
妙乃湯
最初に行ったのは、休暇村にいちばん近い、妙乃湯。
5分くらいの道なのですが、
これ。
もしひき逃げされたら確実に死ぬ。
建物を発見すると安心する。
入ると、受付に誰もいない。すみませーん……とかなり中に入って呼びかけると、出てきてくれた。
日帰りしたいんですけど、と湯めぐり帖を差し出すと、慣れた様子で対応。
ここは女性用内風呂、女性用露天風呂、混浴露天風呂があって、混浴には女性用露天風呂から通路を通って行く形。
露天風呂のお湯が金色! 温度もちょうどいい! 雪が舞ってる!
山奥に来てよかったな……とこの時点で幸せな気持ちに。
先客が3人くらいいたけれど、露天はしばらく独り占めできた。
混浴露天風呂の方を、女性用のところから顔を出して見る。おじさんが一人、背を向けて入っていた。
誰もいなかったらチャレンジしようと思ったのに……
ちなみに、ここはタオルを巻いて入ってOK。受付でいくらか払うと貸してもらえる仕様でした。
私は入らなかったけど。
妙乃湯の入口で、次に行く温泉を吟味しているとき、急に肩を叩かれる。
なんと……知り合いが……
もちろんここに来ることは誰にも言っていない。
こんな秋田の山奥で遭遇しなくても……
私は完全に一人モードで、知り合いに会う心の準備なんて一切できていなかった。
挨拶もそこそこに、そそくさと立ち去る。
大釜温泉
ここでもすんなり通されて、温泉へ。
先客は5名ほど。
それでも十分な広さの内湯。
露天もあって、外に出てみると、何やら先に露天に行った女性グループが騒いでいる。
「めっちゃぬるいですよ」と。
「え?」
と聞き返して、足をつけてみると、本当にぬるい。
外はもっと冷たいので、温泉の中の方がマシなんだが……温水プールか?
あれは謎だった。ああいうものなのか、たまたまなのか。気づいているのか、いないのか。
ちなみに、各温泉に設置してある自動販売機は、軒並み「温泉地価格」ですが、大釜温泉がいちばん良心的だった気がする……
孫六温泉
次は孫六温泉を予定。
と思っていたら、なんと、
なんと……
これ、どっかに情報載せといてほしかった。黒湯温泉の冬季閉鎖はネットにも書いてあったし、湯めぐり帖にもあった。でも孫六温泉は行ってみて初めてわかったんだよな……
しかしこの看板、瀕死だなあ。
蟹場温泉
当初の予定では蟹場(がにば)温泉と鶴乃湯を次の日にとっておこうと思っていたが、孫六温泉の閉鎖によって計画変更を余儀なくされる予感。
とりあえず、雪の中で迷っていたら氷像になるので、いちばん近い蟹場温泉を目指す。徒歩15分ほどだった。途中、気まぐれに吹雪いたりして、けっこう辛い。
着いた! そして、可愛い子いた。
ここは、3つのお風呂があって、それぞれ独立している。つまり、いちいち服を脱ぎ着しないといけない。
一つは女性用露天風呂。すぐそばが山で、時折、雪の粒に襲われる。
他は、小さい内風呂と、大きい内風呂。お客さんは多めだったけど、お風呂も数あるし、気にならない。
帰りは、湯めぐり号を利用。
桶!
このバスは路線バスと違って、休暇村の入口前の駐車場まで連れてってくれました。
休暇村
最初に寄ったとき、入口付近でリンゴを売っていて「部屋で食べるならナイフ貸すよ」みたいなことが書いてあったので期待していたら、バラ売りは無くなってしまっていた。残念。
休暇村は男女別の内風呂と露天風呂。
温泉はそれまでいろいろ行っていたので、チェックインして夕食までは入浴せず。
夕食はバイキングのプラン。秋田の郷土料理・いものこ汁があったり、きりたんぽがあったり、満足。デザートに葛切りがあって、ついつい食べ過ぎてしまった。
その後、お風呂へ。
露天風呂はブナの木に囲まれている。風が強くて、木全体がゆらゆら揺れていた。
寒すぎて早々に内風呂へ。2種類のお湯があった。一つは乳頭の湯、一つは田沢湖高原の湯。私は田沢湖高原の湯の方に長く入っていた。
そして次の日
さて、残りの温泉に入るとしたら、鶴乃湯しか残っていない。
ただ、鶴乃湯は湯めぐり号を使わないと行けない。路線バスには「鶴乃湯入口」のようなバス停があるが、これはフェイクで、ここから60分以上歩かないと鶴乃湯にはたどり着けない。
湯めぐり号の時間を確かめると、鶴乃湯に2時間ほど滞在しないといけないことになってしまう。
そして、冬季閉鎖の2つ……
私は悟った。これは「乳頭温泉、控えめに言って最高」ではない。「乳頭温泉、控えめに言って最高〜冬の陣〜」だと。
夏なら、鶴乃湯までウォーキングだってできる。鶴乃湯どころか7つの温泉をめぐる乳頭温泉郷ウォーキングだってできる。
というわけで、〜夏の陣〜に続く!